目次
1. はじめに
2. 機材
3. ライティング
4. 撮影4.1. 画質・サイズ
4.2. ホワイトバランス
4.3. 露出
4.4. フォーカス
4.5. ほどほどに大きく撮る
4.6. 出来るだけ大きく撮る
ホントはRAW形式で撮るのがお勧めですが、今回は撮影方法の紹介なので割愛させてもらってJPEG形式で撮ることにします。あれこれ考えるのは面倒なので最高画質、最大サイズにセットして下さい。
撮影中に変化しないのであらかじめマニュアルで決めておきます。一般的な小型ストロボの色温度は5400Kぐらいですが、トレーシングペーパーを透過させると下がってしまうので4500kぐらいにします。
ニコンD70sの場合、色温度を数値で設定出来ないので、「ストロボ」にして微調整+3で4800Kにしました。
露出の調整もマニュアルで行います。マニュアルと言ってもちょっと変則的で、あらかじめシャッタースピードと絞りを決めてしまい、カメラのISO感度とストロボの発光量で調整することにします。
シャッタースピードは1/125[秒]にしておきます。絞りは深度(フォーカスが合っているように見える範囲)を深くしたいのでF11.0にセットしてください。
カメラのISO感度は基準感度にします。機種によっては自動的にISO感度を調整する機能があったりしますが、オフにしておいて下さい。
次にテスト撮影をしながらカメラのISO感度、またはストロボ発光量を決めます。
カメラ、またはレンズを操作してフォーカスモードを「オート」にしてください。
水槽から1m程度離れて、ストロボが正面になるように位置して下さい。ズームリングを操作して、ストロボの照射範囲が余裕を持って画面内に収まるように調整して下さい。
この時、本番撮影と同じように「2.4. 水槽」の写り込み対策を行った上で、「3. ライティング」のセットで撮影してください。
撮れた写真のストロボ直下、赤い円内に注目してちょうど良い明るさで写るまで調整していきます。この円内が本番撮影の範囲です。ストロボの照射角、ストロボの位置で範囲は決まります。画面周辺には部屋の壁が写り込んでいるかもしれませんがあまり気にしないで下さい。
・暗く写った場合
カメラのISO感度を上げます。1ステップずつ上げながら確認してください。
ストロボは発光させると次に発光が可能になるまで時間がかかります。かならずチャージ状態を確認してから撮影して下さい。ちなみに「2. ライティング」で紹介したガイドナンバー20(ISO100・m)のストロボで10[秒]ぐらい待ちます。
基準感度のISO200ではちょっと暗いですね。
ISO400まで上げて十分な明るさになりました。
この時のISO感度はそのままにして本番撮影を行います。あまりISO感度をあげると写真にノイズが増えます。あまりにもノイズがあるときはより大きな発光量のあるストロボを用意してください。
・明るく写った場合
ストロボの位置を高くするか、発光量を下げます。暗く写った時と同様にちょっと変えては撮って確認してください。この時のストロボの位置・発光量はそのままにして本番撮影を行います。
ISO感度(またはストロボ位置・発光量)をメモしておけば、次回はテスト撮影なしに本番撮影を行うことができます。
ホワイトバランスと露出はピッタリ調整してあるので、後は確実にフォーカスを合わせるだけです。
動き回る魚が相手なので三脚は使いません。しっかりと脇を締めて構えて下さい。手ブレ補正機能があればお守り代わりにオンにしておきます。ストロボを使うので手ブレには神経質にならなくてもよいのですが、ファインダー内の像が落ち着くのでフォーカスしやすくなる効果があります。
屈折して収差が出るのを防ぐため、水槽に対して正面(ガラス面に対してレンズ光軸が垂直となる方向)から撮影するのが鉄則です。撮影範囲が決まっていますので、撮影範囲を中心に正対してください。
| 正面から撮影 | 斜めから撮影 |
同じレンズを使っているのに斜めから撮影した方は輪郭に色がついたり、像が流れたり、滲んだりしているのが判るかと思います。これではレンズの性能が無駄になってしまいます。
シャッターボタンはボタンを押す指の動きでカメラがブレないように、優しく絞るように押します。
それではいよいよ本番撮影です。
4.5. ほどほどに大きく撮る
まず手始めに30cm四方の範囲をオートフォーカスで写してみましょう。テスト撮影の時と同様にフォーカスモードを「オート」にしてください。
ズームリングを回して、レンズの焦点距離は最も望遠側にセットして下さい。
目的の魚をファインダーで追いながら、撮影範囲に入った時にシャッターを切ります。フォーカスロック(シャッターボタン半押し)はしないで撮ります。
目的の魚にフォーカスが合って、うまく画面に収まっていれば成功としましょう。※1
今だ!と思ってシャッターボタンを押しても、カメラがフォーカスを合わせてからシャッターが切れるので、タイミングがずれてしまうことも多いと思います。フォーカスも私のカメラだとちょっと75%ぐらいは魚に合わず、後ろの石に合ってしまいました。失敗を減らすには次の「4.5. 寄って撮る」のフォーカス法で撮影してみて下さい。
4.6. 出来るだけ大きく撮る
次にできるだけ大きく写してみましょう。撮影倍率が高いとオートフォーカスでは失敗が多くなるのでマニュアルフォーカスで撮影します。
フォーカスを合わせる時に意識してほしいのがフォーカス平面です。フォーカスが合うのは点ではなく、センサーと平行なある平面です。厳密には面ですが、絞りの効果で面の前後にフォーカスが合っているように見える範囲(= 被写界深度)があります。同じ絞りでも撮影距離が短くなると被写界深度も浅くなります。「4.3. 露出」でF11.0まで絞ったのは被写界深度をある程度深くしておきたかったからです。
フォーカスは魚の眼に合わせます。ヒレや吻など他の部位に合っていても眼に合ってなければ、残念ながら失敗写真です。
眼にフォーカスを合わせる、ということはフォーカス平面に眼を交差させるということです。これがカメラにはできない(今のところは)のです。カメラには画面のどこが「眼」なのか判らないのですから。
欲を言えば、眼だけにフォーカスが合っていても面白くないので、プラスαが被写界深度に収まるようにしてください。
最も大きく写せるように、ズームリングを操作して最も望遠側に、フォーカスリングを操作して最短撮影距離にセットしてください。この時がレンズの最大撮影倍率となります。
撮影時にはズームリング、フォーカスリングは動かさないようにします。ではどうやってフォーカスするかと言うと...体ごとカメラを動かすことでフォーカスを合わせます。最大撮影倍率でのフォーカスはたかだか10cm程度の範囲でフォーカス平面を前後させます。フォーカス平面を平行移動させるのに、カメラを前後させる方がフォーカスリングの回転操作よりも感覚的に判りやすいですし、微調整もしやすいです。
ズームリング・フォーカスリングを動かさず、カメラを移動させてフォーカスする様子です。動画の最後、フォーカスが合うタイミングでシャッターボタンを押します。オートフォーカスと違って、ほぼ同じタイミングでシャッターが切れたかと思います。と言ってもカメラの機構上、ゼロにはならないのでその分を差し引いてシャッターボタンを押す必要があります。
ヤリタナゴを撮ってみました。扁平しているので全体が被写界深度に入ってます。他の魚のヒレや顔が画面に入ってますが、良しとしちゃいます。※1
魚の特徴が出るように撮るとより良い写真になります。個体の特徴が現れるヒレが拡がった瞬間を狙うのも一つの手です。面白い習性を持った魚種が多いですから、そのような瞬間(底砂に潜って顔だけ出したドジョウ、大きく吻を拡げてけんかするヨシノボリなど)を狙うのも良いでしょう。忘れてはならないのが婚姻色です。オイカワやタナゴ類の婚姻色の美しさにハッとさせられた方も多いと思います。いつでも観察できるわけではないので写真に撮っておく意味は大きいです。
今回まで4回にわたって水槽撮影法を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。説明下手なところや端折ったところもあって判りにくかったかもしれません。写真、特に水槽撮影は試行錯誤や工夫が結果につながりますので、後は皆さんでよろしくです。(^.^)



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