トレッキング: 2006年10月アーカイブ

カシミール3Dで遊んでいて富士山とか南アルプスへの眺めがいいかも、ということで山梨県の七面山(しちめんさん)に行ってきた。七面山には表参道と裏参道の二つの登山道があるのだけど裏で行ってみた。

8時30分。角瀬(すみせ)バス停横にクルマを停めて出発。

_DSC5733.jpg神通坊というお寺の境内をぬけて真っ赤な鳥居をくぐると登山道に入る。ここで標高300m。

_DSC5739.jpgクルマを停めた角瀬を見下ろす。何もない山の中に20台ほどの大型バス、なぜに?

_DSC5736.jpgお地蔵様に手を合わせる。

_DSC5743.jpgつづら折りに高度を上げていく。

_DSC5748.jpg標高1000mまで上がったところで立派な大トチノキと対面。

_DSC5755.jpgトチノキの隣には安住坊という休憩所みたいな建物がある。閉まっていたけど。

_DSC5756.jpg落ち葉が埋める秋の登山道を歩く。この季節の山って独特の香りがすると思いません?

_DSC5759.jpg標高1400mの明浄坊で一休み。数人の登山者とすれ違っただけで今回も独り静かな山行だなぁ、と思いきや...

_DSC5761.jpg奥ノ院に近づくにつれ何やらスピーカーから声が響いてくる。ヤマケイのアルペンガイド(Amazon.co.jp

)で日蓮宗の霊場だって紹介されてたっけ、今日は何か祭事でもあるのかな、とおもいながら裏手から回ってみると...そこには何百人もの白装束の信者さんたち!ど真ん中を空けてもらって先に行かせてもらった。むしろ端っこの方が良かったのだけど。奥之院の境内だけでは入りきらないので先の登山道のずーと先まで信者さんが並んでらした。話の内容だとこれからこの先の敬慎院に向かうよう。

_DSC5765.jpg奥之院からは整備された道(帰りには軽トラに遭遇した!)が敬慎院まで続く。趣きはないけど歩きやすい。二ノ池に寄り道していたら何やら遠くから声がする。しかも近づいてくる、ナンミョーホーレンゲーキョーのお題目がこだまして近づいてくるのだ。急がないと信者さんに追いつかれる~。

_DSC5767.jpg成り行きで何百人もの信者さんが唱えるお題目を背後に聞きながら歩くことになってしまった。突如、美しいカラマツの林が広がる。

_DSC5780.jpg敬慎院についたのは13時00分。ここから七面山頂まで往復小1時間ほどあるのだけど、山頂まで行ってたら下山中に暗くなってしまう。ちょっと迷ったけど登山道ははっきりしているし大丈夫と判断して行ってみることにした。

_DSC5783.jpg敬慎院からしばらくはサルオガセ垂れ下がるカラマツ林の中を歩く。垂れてると深山って雰囲気になるサルオガセが好きなんだなあ。カラマツ林を抜けると急登になる。

_DSC5792.jpg山頂付近は大きく崩壊していてナナイタガレとよばれている。縁はロープが張られていて新しい登山道がつけられていた。

_DSC5787.jpg七面山山頂、標高1982.4m。到着は13時50分。展望がないのでさっさと下りる。

_DSC5798.jpg敬慎院まで戻ってくるとさきほどの賑わいがウソのように静かになっていた。信者さんは宿坊に入られたのだろうか。

_DSC5800.jpg敬慎院の敷地にある三ツ池。帰りも裏参道を下りることにした。

_DSC5803.jpgかなりペースを上げて奥之院まで下りてきた。行きはゆっくり見られなかったけれど縄が巻いてあるのが影嚮石(ようごうせき)。

_DSC5806.jpg奥之院。お茶をいただいた。こちらでも宿坊があるみたい。

下山中にも信者さんの一団とすれ違った。遠くから太鼓の音と響くナンミョーホーレンゲーキョーの声がなんともにぎやか。

登山口の手前5丁(登山道には1丁毎に石柱があって敬慎院がちょうど50丁。日頃から尺貫法を使ってるわけではないよ!)あたりで日没となってしまった。それでも歩くには十分でヘッドランプは使わなくても登山口まで下りることができた。

この辺りは寒い季節がしっくりきそう。今度は雪が降る季節に宿坊泊で来てみよう。やっぱり宿坊に泊まらないと七面山は語れない。

map20051021.png今回の山旅データ。

  • 同行者 : なし。
  • 距離 : 17.8km。
  • 累積標高 : +2027m, -2027m。
  • 所要時間 : 8時間54分。
    • けっこう標高差があって意外ときつかった~。

      帰ってから気づいたのだけど三角点の南西にあるのが本当の山頂?

      map20051021_3D.pngトラックログの3D表示。

5時半頃起きて表に出ると...

_DSC5307.jpg風下に岩をつたった雨が凍っている!

_DSC5309.jpg草も。

_DSC5310.jpgハイマツも。あらゆるものが氷で覆われてしまっている。いやいやまいった。

_DSC5308.jpgそしてかなりの強風。雲が飛ぶように流れていく。木曽前岳、麦草岳が隠れてはのぞく。眼下に見える屋根は玉ノ窪山荘。

朝食を食べるもさあ、どうしたものか。クルマを停めた桂小場まで戻りたいのだけど、山頂から馬ノ背を下るのは無理だろう。よりいっそう強風が吹き付けているだろうし、しかも道は凍結している。「滑落」という文字が容易に目に浮かぶ。ロープウェイで下りてバス・電車・タクシーでクルマを回収するか、それとももう一泊するか...。

宿泊者一同、もう少し日が昇るまで様子を見る。

_DSC5316.jpg8時、ゴアの上下にダウンのインナーを着込んで小屋を発った。馬ノ背を下るのは避けて、小屋の主人のアドバイスにしたがい駒飼ノ池・濃ガ池を経由して桂小場まで帰ることにする。まだ凍結している登山道をストックのチップを突きながらそろりそろり慎重に駒ヶ岳山頂に向かう。

_DSC5318.jpg10分歩いて木曽駒ヶ岳山頂(標高2956m)。

_DSC5321.jpg真っ白な世界。岩の上は5mmぐらいの氷がまんべんなく覆っている。

_DSC5324.jpgどこかで似たような景色を見たことが...あー、家の冷凍庫だ。

_DSC5327.jpg駒ヶ岳山頂からすぐ隣の中岳を目指して下る。

_DSC5328.jpg駒ヶ岳と中岳の鞍部にある頂上山荘を左手に見ながら進む。

_DSC5333.jpg中岳への登り。

_DSC5334.jpg中岳山頂(標高2925m)。ほっておくとウェアやザックカバーに霜がつくから気温は0℃以下だろうか。

_DSC5340.jpg宝剣岳の手前、宝剣山荘。ここで駒飼ノ池方面に分岐する。

_DSC5341.jpg突如目の前に現れた伊那前岳。すぐにガスに閉ざされる。先行していたおじさんは引き返してしまい帰りも独りとなる。

_DSC5348.jpg駒飼ノ池で休憩する。池と言うよりは水たまりに近い。風も氷も緩くなって精神的に余裕が出てきた。汗ばんできたのでダウンのインナーを脱ぐ。

_DSC5354.jpg濃ガ池コースのはしご。両手を使って慎重に下りる。

_DSC5359.jpg濃ガ池のほとりから見上げる馬ノ背。ここまでくると青空が広がるようになる。

_DSC5361.jpg濃ガ池分岐からこれから歩く方向を望む。稜線に立つと強くて冷たい風が容赦ない。八ガ岳、南アルプス方面はうらやましいぐらいの快晴。

_DSC5366.jpg吹きさらしの稜線を寒風にげんなりしながら西駒山荘に向かって歩く。時々雲の塊がぶつかるように越えてガスにつつまれる。振り返るとやはり木曽駒ヶ岳はガスの中。

_DSC5368.jpg西駒山荘に到着してひと安心。小屋の中で休憩させてもらう。

_DSC5370.jpg胸突八丁の下りが続く。樹林帯の中だというのに風が強く寒い。黙々と下る。ちょっと退屈ではある。

_DSC5383.jpg標高1700mまで下りてくると暑いぐらいだ。ブドウの泉の手前にある野田場という水場で一口いただく。味は...やっぱりブドウの泉の方がうまい。

帰りもブドウの泉で水を汲んで、16時前には登山口まで戻ることができた。

今回の山行き、特に1日目は反省することが多かった。歩けないほどではないにしても強い風の中、馬ノ背を通過するのは避けるべきで、稜線で強風に遭遇したときに引き返して西駒山荘泊とするか、濃ガ池経由で宝剣山荘泊とするのが正解だった。それと西駒山荘から宮田高原方面に向かって危うく下りかけたのは、視界の中のもっとも高い方向を木曽駒ヶ岳方面だと思いこんでしまったというアホな理由だったのだ。道間違い以降は分岐はもちろんのことちょっとでも不安になったら地図みて現在地と方角、先の地形を確認するようにした。

ケガしない程度に3000m級での秋の天候がどういうものか経験できたと思う一方、ここらへんが我流の限界かもしれないなと思った。

家に帰ってから知ったんだけど北アルプスでは強風と寒さがさらに厳しかったらしく、7人の方が遭難して亡くなっていた。なんでも6日の天気図を見ると典型的な気圧配置で荒れ模様になることは予想できたそうだ。気象に興味が出てきたのでちょっと勉強してみよう。

map20061007.png今回の山旅データ。

  • 同行者 : なし。
  • 距離 : 27.6km。
  • 累積標高 : +2681m, -2678m。
  • 所要時間 : 33時間34分(1泊2日)。


map20061007_3d.pngそしてトラックログの3D表示。

御嶽から一瞬だけ見えた姿に惹かれて木曽駒ヶ岳に登ってきた。

小屋泊のつもりだったから千畳敷までロープウェイで上がってしまうのはもったいないかなぁ、と思って伊那市の桂小場から登ることにして登山口前の駐車スペースで前夜泊とした。ロープウェイ利用にするとなんやかんやでいい金額になるのも理由だったりする。

_DSC5260.jpg桂小場(標高1280m)登山口を6時30分に出発。曇っているけど空は明るい。

_DSC5264.jpg歩き始めてすぐにブドウの泉。上から流れる沢の水がそのままパイプから出ているように見えてちょっと不安だったけれど、恐る恐る飲んでみると...これがうまい!あまいというか、口当たりがいいというか。ボトルの中身を入れ替える。ここでゴアのジャケットを脱いで長袖になる。

_DSC5272.jpg気持ちの良いカラマツの林の中を歩く。雨がシトシト降ってきたが長袖だけで十分だった。

_DSC5277.jpgこんなところで?という場所に落雷事故の記念碑がある。学校登山での事故で幸い死者はいなかったらしい。

_DSC5281.jpg大樽小屋が近づく頃にはあたりは苔生したシラビソの林になる。前を歩いていた登山者に追いつく。聞くと木曽駒ヶ岳山頂まで行かないで日帰りの予定とのこと。この先、頂上山荘までの間はずーと独りであった。

_DSC5283.jpg大樽小屋。冷えてきたのでゴアのジャケットを着る。

_DSC5285.jpgここまでが胸突き八丁と呼ばれる急な登り。

_DSC5289.jpg樹林帯をぬけてほどなくすると西駒山荘に到着。雨はそれほどではないが風が強いのでレインウェアとザックカバーで雨装備。ここで何を迷ったか西に続く尾根を下ってしまう。ハイマツの林のなか100m下ったところで間違いに気づく。1時間無駄にして西駒山荘まで戻る。

_DSC5293.jpg大正時代にあった学校登山中での遭難事故の記念碑。校長と生徒11人が犠牲になった。

_DSC5297.jpg稜線を右手側から強い風が越えていく。この先が馬ノ背と呼ばれる痩せた尾根。

_DSC5298.jpg馬ノ背を慎重に慎重に進む。後から考えると、少し戻って濃ガ池コースに進むべきだった。

_DSC5300.jpgこのまま進んでいくのは危険だと判断して、山腹を巻く道へ分岐する。

_DSC5301.jpg頂上山荘に到着。ようやく人影を見て泣きそうになる。

_DSC5302.jpg頂上山荘前のキャンプ場。

_DSC5304.jpg木曽駒ヶ岳山頂(標高2956m)。うっ、何も見えない。「山頂には木曽側と伊那側に一つずつ神社があるんですよ。」と教えてくれたお父さん&家族といっしょに頂上木曽小屋まで向かう。

小屋到着は15時、ほっと安堵する。今夜は頂上木曽小屋泊である。本日の宿泊者は15人ほど。外は強風、どんどん気温は下がっていく。ストーブ三台でも寒いからダウンの上下を着る。夕食を食べて20時前には寝てしまった。

夜中に頭痛と軽い吐き気で目が覚めて頭痛薬を飲む。高度障害?

風は弱まるどころかますます強くなっていくようだ。時々、シャリシャリという音が混じる。みぞれが打ち付けられているのだろうか。

...木曽駒ヶ岳 2日目につづく。

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seotaroについて

1975年、島根県生まれ。静岡県在住。
旅をしながら写真を撮って暮らしていく方法を模索中。 詳しいプロフィールはこちら

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