2011年4月アーカイブ

「マクロ」という言葉がいまいちあいまいなので、勝手ではありますが先に投稿した記事の最小被写界長さで基準を設けたいと思います。

フィルム時代には最大撮影倍率が1.0倍のレンズを「マクロ」レンズと呼んでいました。当時、一般的だった135フィルムの画面サイズで最小被写界長さを求めると43.4[mm](=√(24.0×24.0 + 36.0×36.0) / 1.0)となります。

フィルム時代の基準を踏襲して次のように定義したいと思います。

マクロとは、最小被写界長さが43.4[mm]以下の撮影システムを指す。

ほんとに勝手ではありますが、フィルム時代から撮っている方にはしっくり来るんじゃないでしょうか。

以下、適当にカタログの数値から計算して求めた最小被写界長さを抜粋してみました。倍率が同じなら撮像素子が小さいほどマクロには強いと言えますね。最も混乱しているコンパクトタイプこそ集計したかったのですが力及ばず、実機がないことにはサンプリングできません。

最小被写界長さの例
メーカーフォーマットレンズ最大撮影倍率最小被写界長さ [mm]
ニコンDXフォーマットAF-S DX NIKKOR 35mmm f/1.4G0.164 173.2
ニコンDXフォーマットAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED1.000 28.4
ニコンFXフォーマットAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED1.000 43.2
ニコンDXフォーマットAF-S DX Micro NIKKOR 85mm f/3.5G ED VR1.000 28.4
ニコンDXフォーマットAF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR0.217 130.6
ニコンDXフォーマットAF-S DX Zoom-NIKKOR 12-24mm f/4G IF-ED0.120 235.7
ニコンFXフォーマットAF-S NIKKOR 50mm f/1.4G0.147 293.8
ニコンDXフォーマットAF-S NIKKOR 50mm f/1.4G0.147 193.1
キャノンEF-SEF-S60mm F2.8マクロ USM1.000 26.8
キャノンEFEF100mmF2.8LマクロIS USM1.000 43.3
キャノンEF-SEF100mmF2.8LマクロIS USM1.000 26.8
オリンパスフォーサーズZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro0.520 41.5
オリンパスフォーサーズZUIKO DIGITAL ED 35mm F3.5 Macro1.000 21.6
撮像素子サイズ一覧
メーカーフォーマット幅 [mm]高さ [mm]対角 [mm]
ニコンFX35.9 24.0 43.2
ニコンDX23.6 15.8 28.4
キヤノンEF36.0 24.0 43.3
キヤノンEF-S22.3 14.9 26.8
オリンパスフォーサーズ17.3 13.0 21.6
135フィルム36.0 24.0 43.3

カメラに疎い家人のリクエストでコンパクトタイプのデジカメを買いました。一眼レフのレンズやストロボの予算に回したいところでしたが、「そんなカメラが使えるわけないでしょ」と逆ギレされたのでしょうがありません。

D300s_002494.jpg型落ちで安くなっていたソニー DSC-WX5になんとなく決めました。

以前、水槽撮影にはデジタル一眼レフをおすすめしていましたが、コンパクトタイプがどれくらい使えるのかは興味あるところです。

手始めに接写性能をチェックしてみます。知りたいのは最大撮影倍率とワーキングディスタンスなんですが、コンパクトタイプの悪しき慣習として仕様には書いてありません。しょうがないので実測してみました。
そもそもこの機種では接写を売りにしていないので説明書でも触れられていません。いろいろ弄ってみたところ最も広角側にしたときが最大撮影倍率となるみたいです。AFオンリーなのでギリギリフォーカスが合う位置を最短撮影距離としました。

DSC00056.jpg最短撮影距離で1mm方眼紙を撮影したのがこの画像です。目測で撮影範囲は70[mm]x53[mm]、対角線で87.8[mm](=√(70×70 + 53×53))でした。撮像素子サイズが対角線で7.81[mm](取扱説明書p.85)なので、最大撮影倍率は0.099(= 7.81 / 87.8)となります。

思ったほど撮影倍率は高くありませんが、撮像素子サイズが小さいのでそこそこ大きく写ります。画質が悪いのは光量不足で絞り開放になったから?もっと絞りこめる条件なら改善されるかも。

D300s_002485.jpg比較として最大撮影倍率1倍のニコンAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDでも実測してみました。カメラはニコンD300sです。撮影範囲は22x14.5[mm]、対角線で26.3[mm]でした。撮像素子サイズは対角28.4[mm](=√(23.6×23.6 + 15.8×15.8))。従って最大撮影倍率は1.08(= 28.4 / 26.3)となり、カタログスペックより若干高いです。


ここでメーカー様にちょっとご提案です。

先の実験で求めた撮影範囲の対角線長 =「最小被写界長さ」を接写性能を表す数値として導入されてはいかがでしょうか?画面いっぱいに写すことが出来る大きさと読み替えることも出来ますし、異なる撮像素子サイズのカメラ・レンズであってもそのまま比較することが出来ます。いろいろな撮像サイズがある現在では非常に有用な数値だと思います。気の利いたメーカーにはカメラ・レンズのカタログに最大撮影倍率と並記して欲しいところです。

ちなみに先の実験からWX5の最小被写界長さは87.8[mm]、D300s&AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDは26.3[mm]だったので、D300s&Micro105mmの方が3.3倍(= 87.8 / 26.3)接写性能が高い、などと言えたりするわけです。

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